鍼きゅう医療 「異病同治」「同病異治」理論  
★「異病同治」「同病異治」理論とは。

「異病同治」
一般的に、異病という異なる疾患病には異なる治療法を用いないといけません。
しかし、その疾患 病の中に数種の同じ症状(漢方では証と言います)があれば
異なる病でも同じ治療法で良いという特徴
があります。
この理論により、現代医療では多科のお世話にならないといけないものを
重篤な急性疾患を除き、一人の鍼きゅう師で対応できることになります。

例えば、ある男性の患者さんの訴えは、重篤なアトピー性皮膚炎症状 乏尿 
四肢浮腫 横紋筋融解症 腋窩鼠径リンパ節腫 陰嚢水腫 難聴
かゆみによる不眠 アトピーによる汗腺消失による悪寒症状でした。
皮膚科を筆頭に、アレルギー内科 腎臓内科 リュウマチ科 耳鼻科にて
診察していただきましたが、腎臓にも問題がなく、リュウマチでも無く、
難聴 アトピー様皮膚炎は、ステロイドが合わないため、治療方法が
無いとのことでした。

しかし、鍼灸治療だと合わせて8つの穴を決め、糖尿病はありませんでした
のでお灸療法を自宅で行ってもらい、来院時には専門的に鍼治療を行う
だけで約1年かかりましたが、軽い皮フのかゆみを残すだけで
治癒となりました。

「同病異治」
同じく一般的に、同病同症には同じ治療法を用います。しかし、同じ疾病・病でも
病人の身体の反応の相違により、現れる証候症状も異なる場合は治療法を
変える必要がある
のです。

風邪には風邪薬が無いのにもかかわらず解熱鎮痛剤を処方され熱が下がる
ため、風邪薬があると多くの方々が信じています。
テレビでは「風邪に●ル」と宣伝されますしね。
鍼きゅうでは、軽い表証という風邪にも二種類あると大別されています。
風熱表証と風寒表証の二つです。
熱証には5つの穴を使い、寒証には3つの穴を使うのです。
(ちなみに39度の発熱でインフルエンザウィルスは1/1000に激減します。)

言い換えると、西洋医学又は現代医学はミクロの世界に立ち入り病の原因を
探し当て、それに対応する新薬を開発し主に急性疾患に対応します。
漢方医療はマクロ、すなわち巨視的(問診に始まり触診脈診 視診 聴診)に病態を
観察して治療法を決定します。
そして、鍼きゅう治療は穴(ツボ)という体表に現れる自律神経調整スイッチを
操作することで、何よりも、人体が備えている治癒力
(自然治癒力:体内で活動する100人の名医)を活かし病を治す治療方法なのです。

したがって、急性期疾患には現代医療より治療効果が劣る場合が多くありますが、
新薬を長期間又は多剤併用を励行することで避けられない副作用などはなく
また、結核治療でお灸療法を併用することで,その有効性が実証されているように
新薬の副作用を軽減解消する作用もあり、現代医学のあらゆる検査で異常が見つから
なくても、治療薬が無い場合でも対応できる場合があり、
多くの慢性疾患には食養同様、根本的な治癒作用が期待できる医療なのです。
 
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